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ベネチアンガラスの言葉の辞書
エナメル絵付けガラス
エナメル(低温で熔解する濃縮色ガラスの粉でできた顔料)でガラス器に絵付けをして、作品の表面に絵柄を焼き付ける技法。2000年前の古代ローマ時代に始まり、13−14世紀にイスラムで発達して15世紀後半にヴェネチィアにもたらされた。ヴェネチィアンガラスにおけるエナメル絵付けの最大の特徴は、イスラムガラスの影響のもと、不透明エナメル彩色と金彩色で花の文様などを点彩色により表現していることである。
作り方はまず器本体の表面に下絵を線描して一度焼く。次にエナメル顔料をメジュ−ムと呼ばれる解き油でよく練って着彩して再度焼き、さらに金彩やラスター彩をつけて再々度焼くというように数回に分けて焼き付ける。焼き付け温度は素材によって違うが、ソーダガラスの場合はガラス器表面が軟らかくなる約600度で加熱する。
ダイヤモンドポイント彫りガラス
先端にダイヤモンドが付けられたペンシルを使って、透明ガラス器の表面に細かい線や点で文様などを彫刻する技法。この技法が本格的に発展したのは16世紀で、 この背景にはヴェネチィアンレースの人気と流行が影響している。無色透明ガラスにダイヤモンドで繊細なレース模様を描きこんでレースの人気をガラスに取り込んだものである。そのため、ダイヤモンドポイント彫りガラスは比較的強く、白く、はっきりと文様を表現するように彫り込まれている。
アイスクラックガラス
表面に氷の割れ目のようなひび割れ文様の入れられたガラス。16世紀にヴェネチィアで考案され、その後ヨーロッパ各地に広まった。吹きガラスの技法で器形を作った後、熱い状態のガラスを水の中に一瞬だけ浸すと、ガラス器の表面には不規則なひび割れが入る。これを窯の火口で焼き戻して割れ目をよく鎔かし合わせて、冷やして完成させる。
マーブルガラス
異色のガラスを熔かし合わせて練り上げた素地で作り、表面に大理石や玉髄など天然の宝石の模様を表現したガラス。マーブルガラスはすでに紀元前後のローマンガラスに作例が見られ、ヴェネチィアンガラスやアールヌーボーガラスなど、ヨーロッパ各地のガラス工芸において流行した。マーブルガラスの中でも15世紀後半のヴェネチィアで考案されて、16−17世紀に流行した。素地に銀イオンを含んでいるガラスは熱の変化で多様な色彩を描き出し、マーブル状を表したガラス。
アップリケガラス
ガラス作品本体に同質または異質の色ガラスを熔着させ、ガラス器に装飾を加える技法。主には宙吹きガラスに使われる技法の一種として、華麗な装飾ガラスを展開させた17−18世紀のヴェネチィアンガラスにアップリケ技法が多様された。特にドラゴンステムガラスのドラゴン装飾や水差しなどの側面に付けられたシール文様や色ガラスの熔着装飾が施されたシャンデリアには欠かせない技法である。
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